machi-kura まちづくり相談処 油長内蔵

蔵のある街づくりとは

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原風景を今に残す。埼玉県越谷市は旧日光街道の通る歴史ある街。そのため歴史的な建造物も多く見ることができた。しかし開発が進む中で古き良き景観は失われつつある。そんな地に江戸時代末期に建てられた「蔵」が現存する。本プロジェクトはその蔵を修繕し、街のシンボルとなるように配し、新築4邸と合わせてそこにある原風景を残していくことをコンセプトに置きスタートした。かつてその一角は、長い樹齢を持つ松と内蔵と米蔵、粕蔵の三棟の蔵、そして灯篭などが並び、まるで江戸末期から時が止まっているかのような不思議な印象を醸し出していた。このうち屋根が抜け、傷みの激しかった米蔵と粕蔵は、解体し残った内蔵を様々な工法を用いて現代に蘇らせた。生まれ変わったその蔵は地域活性化の拠点であると同時に分譲地内の住民、さらには近隣や地域の方々のコミュニティ創出の場となっていく。この地域にはまだ築百年を超える建物が散在している。本プロジェクトが手掛けた蔵もその一つだ。このプロジェクトおいて重視したのは蔵を取り壊し、新たに何かを建てるのではなく、逆にただ残しただけでもない。そこにある歴史とデザインを継承していく中で新たな付加価値を見出し、さらに普遍的な価値へと発展させていく。それが真の意味で「原風景を今に残していくこと」だと私たちは捉えています。

この物語は「越谷」の地から始まる。このプロジェクトが始まる地は越谷駅から徒歩5分という程良い位置にあり、さらに日光街道も近い。その上で街並みのいたるところに歴史の面影が残り、情緒ある風景を創りあげている。越谷駅から歩きながら、あるいは日光街道から車で我が家へと向かう中で感じるのは、単純な便利さや暮らしやすさだけではないだろう。敢えて表現するならば。「越谷らしさ」と言えるかも知れない。開発が急速に進み、日々進化を遂げていきながらも過ぎ去りし時が残す豊かさが醸成している越谷。この物語は、そんな越谷の地から始まる。